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「仕事に行きたくない」人間関係が原因の悩みとストレスの7つの対処法

更新日:2024年9月16日

「マジで仕事、行きたくない」重い気分の朝。 新人から社長までビジネスパーソンなら誰しも、経験しているのではないでしょうか。

その原因が「仕事がつらい」「会社の人間関係に疲れた」「もう辞めたい」なら、退職・転職以外の選択肢はあります。まだ希望は捨てないで。解決に導いた7つの代表的なケースをご紹介します。


2021年9月9日の記事を加筆・再編集して公開します


「仕事に行きたくない」人間関係が原因の悩みとストレスの7つの対処法


1. 「死ぬほどがんばった。もうムリ」

  →死ぬ前に休む


厚労省の調査*1で、働く人の強いストレスとして1位が挙げられているのが「仕事の質・量」です。過重労働は減ってきていると思われがちですが、日本商工会議所の2024年の調査結果*2によれば、中小企業の3社に2社、しかも「あらゆる業種で人手不足」の状態です。もっとも低い製造業でも57.8%、もっとも高い建設、運輸、介護・看護では8割近くが人手不足。DX化、ロボット化は進んでおらず、取り組む企業が3割に満たない状態です。


キャパオーバーの仕事、溜まっていく一方の作業がプレッシャーになっている場合、①相談できる相手がいない②本人が相談できない、あるいは③相談を受ける立場の人に解決能力がない、のいずれかです。つまり「仕事の質・量」というストレスや悩みの根源は人間関係なのです。


①~③のケースで、それぞれ解決すべき問題は別にありますが、身体的にも精神的にもまず疲労回復が最優先です。一刻も早く十分な休養と睡眠をとり、滋養をつけて英気を養いましょう。


ほとんどの場合、不眠、食欲の減退(または亢進)、急な体重の増減、頭痛、腹痛、吐き気、動悸、息苦しさ、口の渇き、涙が止まらなくなる、多汗といった身体症状が現れているはずです。ことに女性は、男性に比べて疲労が「肩こり・肌の疲れ・手足の冷え」として出やすい傾向があります。症状があればすぐに医療機関を受診して、可能な限り長く休みをとることです。この場合、視野に入れるべきは、退職ではなく休職です。


あなたに今必要なのは休養です。やる気や根性、ましてスキルではありません。つぶれて後悔する前に休んでください。



2. 「自分にはこの仕事の能力がない」

  →100%勘違い


「仕事での失敗や失策」も大きなストレス要因です。厚労省の調査でも「仕事の失敗、責任の発生等」が働く人の強いストレスの2位にランクインしています。


ただ、仕事でのミスや失態を深刻に受け止める方は、①過労による身体/精神の不調を発症している、②能力が高く、完璧主義かスーパーマン願望の傾向があるのいずれか、または両方です。こういう悩みを抱く方は、間違いなく仕事ができる人。「自分は仕事ができない」は100%あなたの勘違いです。


「自分の能力不足」という悩みは、人間関係でこそありませんが、相手(会社)もしくは自分に、対人面での課題が見え隠れします。

あなたが従業員であれば、仕事上のミスは、あなたを雇っている会社に責任があります。適切な指導でなく、部下の能力不足を責めたり貶したり(それも人前で)するなら、その上司の指導力のなさこそが問題です。

あなたが管理職であれば、仕事の能力やスキルよりも、マネジメントやコミュニケーションに課題があるのかもしれません。

対処は次の3つです。


①人事部への相談

能力について不安があり、適切な研修や教育を受けたいという要望を伝えることができます。具体的な方針がない場合は、適切な助言によって研修プランをキャリアコンサルタントと検討するリクエスト、ストレスが高い場合は産業医や心理カウンセラーの面談のリクエストなど。


②キャリアコンサルティングを受ける

今、目を向けるべきは「できない自分の未来」という妄想ではありません。「今の自分ができていること」という現実です。そのうえでできる対策を行い、今の自分を着実に伸ばしていくことが解決の正道になります。


③医療機関の受診

ストレスが高い状態で不眠、頭痛、食欲不振、精神的な不安定さといった身体的・精神的な症状が出ている場合、治すことが先決です。医師に症状と仕事での不安やストレスについて話し、診療と助言を求めましょう。



3. 「ハラスメント・いじめで人間関係がツライ」

  →第三者に相談する


厚生労働省の2023年度「職場のハラスメントに関する実態調査」によると、19.3%が過去3年以内にパワハラを受けたと回答しています。対策の早かったセクハラ以外、パワハラ、マタハラ、そして介護などの休業に関するハラスメント、顧客や取引先からのハラスメント(カスハラ)の被害者は、増加傾向にあります。こうした状況から、労働施策総合推進法などの改正により、2022年6月より全企業にハラスメント防止対策、具体的には、周知・啓蒙、相談体制の整備、迅速な対応が義務づけられました。


ただ、パワハラ被害者の36.9%、セクハラでは51.7%が「何もしなかった」と回答しています(厚労省・ハラスメント実態調査)。被害者はハラスメントを受けて身動きがとれない状況で人知れず悩み苦しむ傾向があるのです。その結果、「もう仕事を辞めるしかない」と追い込まれていきます。


ここで「仕事を辞める」以外に選択肢を広げることが、心の健康回復と問題解決に直結します。嫌がらせ、中傷、無視、過度な批判、理不尽な要求など、職場の人間関係で耐えがたいことに遭ったとき、あるいはトラブルが発生したとき、避けるべきは我慢と孤独です。すぐ誰かに相談してください。


相談するときのコツとして、事実関係をまとめることをお勧めします。

  • ハラスメントが起こった日時(いつから、どのくらいの頻度で)

  • ハラスメントが起こった場所

  • 言われた/強要された事柄

  • ハラスメントを行った人物

  • ハラスメントの目撃者

救援者がサポートや対策をしやすくなり、あなたにとっても早期の問題解決につながります。


ハラスメント対策のノウハウを持った相談先としては次の3つ+電話相談があります。


①ハラスメント相談窓口

2022年6月の法改正で職場への設置が義務づけられた相談窓口です。窓口の利用については人事部で確認できます。


②内部通報窓口(ヘルプライン)

相談者の秘密を守って問題解決してくれる窓口です。中小企業には設置の義務はありませんが、不正の早期発見やコンプライアンス意識の向上といったメリットから設置する企業が増えています。自社の制度を確認しておきましょう。


③行政機関の相談窓口

勤務先に相談窓口がない、相談しにくい、相談したが対応してもらえなかった場合はこちらで相談できます。 労働局/労働基準監督署の総合労働相談コーナー  職場の所在地の労働局/労働基準監督局の相談コーナーが対応してくれます。

労働委員会の相談窓口

 各都道府県の労働委員会に相談窓口が設置されています。相談先はお住いの地域の労働委員会になります。通話料無料の相談ダイヤルがあるところもあれば、年に数回の無料相談のみのところもあり、サービス内容が都道府県によって異なります。


④電話相談

話を聞いてもらい、心を落ち着けたり、対策について助言をもらえます。

みんなの人権110番 0570-003-110

 法務局が行う差別や虐待、ハラスメントなど人権問題についての相談電話。最寄りの法務局につながります。

 厚労省の委託団体が行う、働く方やそのご家族、企業の人事労務担当者を対象にしたフリーダイヤルの相談窓口。

 0120-279-338

 0120-279-226(岩手県・宮城県・福島県)

 社会的包摂サポートセンターが行うフリーダイヤルの電話相談。ガイダンスが流れたら1(暮らしの困りごと、悩みを聞いてほしい方)を選びます。


あなたはまったく悪くありません。SOSを発する少しの勇気を持ってください。



4. 「今日はちょっと……会社に行けない」

  →ストレスの正体を突き止める


傍から見れば、悩みも不満もストレスも抱えてなさそうに見える人から「体調不良で休みます」と、朝、職場に電話がかかってくる。たとえば、先週から体調悪そうだったとか、連日残業が続いたからとか、あるいは、夕べちょっとハメを外しすぎてといった、さしたる理由もなく「今日はちょっと……」

 

電話をかけた本人も、具体的な理由はわかりません。でも「今日はちょっと……会社に行けない」のです。一度や二度なら、誰でもまああるかもしれません。問題は、「今日はちょっと……」が習慣化されて、勤怠悪化するケースです。


このケースは少し深刻です。


この人が、長期間にわたってストレスを受けていることは間違いありません。ただ、この人の場合、自分がつらいと感じていること、ストレスを受けている事実すら「なかったことに」しているのです。本人にその自覚はありません。これが不快な感情にあった場合、わたしたちの無意識が行う防衛機制の一つ「抑圧」と呼ばれるものです。無意識がパンパンになるまで不快な感情やストレスを詰め込んで、限界に達すると弾け飛ぶわけです。そのときが「今日はちょっと……」の欠勤です。なかったことにするくらい「真っ平ごめん」の出来事なのでしょう。なんらかの対人ストレスである可能性は高いです。


これを改善するには、自分とじっくり向き合う必要があります。自分にとって何が「イヤ」なことなのか。そのイヤなことを我慢し、乗り切った自分は癒したり労ってあげなければいけません。2度とイヤな目に遭わない対策も必要です。


心理カウンセリングが近道ですが、ストレスを認めたうえで、ストレス以上の喜びを自分に与える方法で乗り切るのも手です。



5. 「〇〇さんみたいに仕事ができない」

  →自己批判はフェアに


自己実現のために「あの人みたいになりたい」とある人物を目標にするのはよいことです。その人を徹底的に見習っていく「モデリング」という手法もあります。


ただ「どうせ自分があんなふうになるのはムリ」とあきらめたり、「ああなれない自分はダメ人間だ」と思い込んだりするうちに、劣等感にばかりフォーカスしてしまう人が少なくありません。自分がつまらない人物、価値のない人間に見えてきて、やる気ややりがいは行方不明。すると「仕事に行きたくない」という暗い気持ちがムクムク湧いてくるのです。


わたしたち人間が社会的な生き物である以上、社会から、誰かから「認められたい」と欲するのはごく自然なことです。そして、自己実現の場でもある職場には、パフォーマンスや成果、生産性、貢献度といったモノサシが溢れています。とかく人と比較しがち・されがちになるのは仕方がありません。「他人と比べないで」とお願いしても、難しいようです。


そんなとき、お願いしていることがあります。「自己批判はフェアにしてください」ということです。できないこと、苦手なこと、嫌いな面、弱点、短所を並べて自己批判をするときは、同時にもれなくできること、得意なこと、好きな面、強味、長所同じ数だけ挙げてください。だって、片方だけではアンフェアでしょう?


自分にダメ出しするなら、同じだけ自分の魅力も褒めてください。「他人との比較」よりも「褒めポイント探し」のほうが、ワークとしては難しいのですが、大切です。こうして見つけた自分の強味や魅力を生かす・伸ばす目標を設定したり、方法を探れば、ずっと効果的です。



 

6. 「会社でどう思われてるか心配」

  →気にならない位置まで離れる


職場は仕事をする場所です。果たして、「みんなと仲良く」する必要があるでしょうか? 職場の人間関係にもううんざり、疲れたと感じるなら、それは自分にとって快適な距離ではないはずです。快適な距離まで離れましょう


それでも、和を乱したくない、集団の動向を気になる人に262の法則をご紹介しましょう。


イタリアの経済学者パレートが発見した統計から傾向を導き出した比率で80:20の法則とか「ばらつきの法則」と呼ばれます。有名なところでは、


  • 物事の本質の8割は、2割を見ればわかる

  • 売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している

  • 社会全体の富の8割を2割の富豪が所有している


こういった表現があります。


ここから派生した「262の法則」というのがあって、

100匹の働きアリうちよく働くのは20匹(2割)で、それにつられて60匹(6割)がフツーに働き、残りの20匹(2割)はまったく働かない。そこでこの集団から、まったく働かない20匹を除去すると、残った80匹のうち2割の16匹がまったく働かなくなった。そして、6割の48匹はフツーに、2割の16匹はよく働く

というのです。この比率を人間関係に当てはめると、

ある集団で2割の人はあなたと意気投合し、それにつられた6割があなたとフツーにつきあい、残り2割はあなたとまったく馴染まない

ということになります。


職場は「みんなと仲良く」する場所ではありません。プライベートまで親しくなるのは、せいぜい2割。その他8割とは距離を置いたところで影響はないのです。



もしかすると「会社でどう思われているか心配」するあなたは、気を使い過ぎていつも疲れている人かもしれません。その場合の理由と対策については別の記事にまとめているのでこちらをご覧ください。



7. 「マジで会社を辞めたい」

  →転職も一つの手だけど


「交流分析」を提唱した心理学者のエリック・バーンは「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」と言いました。「人間関係がうまくいかない」「トラブルがある」状態を改善できないなら、自分と未来を変える「転職」もアリでしょう。

ただし、タイミングとシチュエーションで「転職しないほうがいい」「退職を後悔する」ケースもあります。


①うつ病、適応障害などを発症中の人

「会社を辞めたい」というお気持ちはよくわかります。もちろん、退職は必ずしも「逃げ」ではありませんし、たまさか「逃げ」だっていいと思います。ただし、今、メンタル不調を悪化させている状態で環境を変えることには、大きなリスクがあることを十分にご理解のうえであるならば。転職は、復職よりもさらにエネルギーを必要になり、余計に重いストレスに晒されます。病状の回復が望めないばかりか、悪化させることも少なくありません。今、優先されるべきは休職です。辞めるにしても、休職期間のあと、有給消化してからでも決して遅くはありません。


②介護を退職理由に辞める人

経済的、かつ精神的な安定の面から、介護と仕事を両立にはメリットがあります。辞めて自分の人生が介護オンリーになれば、キーパーソンはゆとりも逃げ場もなく疲弊します。その先に待っているのは「するのも地獄、される地獄」の介護です。自分が仕事を辞めなければ成立しないのであれば、その介護プランには無理があります。就労維持が難しい状況ならば、支援が必要なことを、家族・親戚、地域包括支援センターや施設のケアマネジャーに、そして勤務先や友人・知人にも相談しましょう。誰かがよい知恵を必ず持っていますから。

※同じことは、結婚にも言えます。結婚後、想定通りにならなかった場合、自分の両親の介護以上に、配偶者に対して「自分の人生を犠牲にした」という感情がつきまといます。


③喪失体験をしたばかりの人

死別、離婚などで深く嘆き悲しむ衝撃的な体験をした直後、日常を取り戻すために仕事は非常に有効な手段です。人と交流することで、孤独の中で悲しみの感情に支配されすぎることも防ぎます。

 

④退職後がノープランの人

退職は甘えではありませんが、転職には戦略が必要です。次の仕事の目途を立ててからでも、退職は遅くはありません。辞めると決めたなら、サッパリとした気持ちで明るい未来計画を練りましょう。


⑤人間関係の悩みやトラブルによる転職を3回以上くり返している人

退職で問題から逃げてもいいと思います。ただし、注意が必要です。たとえば「同じタイプの上司・同僚からパワハラに遭った」のが原因で退職・転職をくり返しているなら、もしかしたらあなたの課題かもしれません。その場合、転職先をでまた同じ理由で辞めることになる可能性があります。このような傾向は、アダルトチルドレンによくみられます。

いずれにせよ、現在の人間関係の問題について、会社に相談したうえで、中長期的には自分の課題に向き合っていく必要があるでしょう




「仕事に行きたくない」ときは

ただちに疲労・ストレスから解放されること!


仕事でのストレスのほとんどは、人間関係が原因です。疲労やストレスが蓄積して、追い込まれた状態では、視野や考え方が狭まりやすく、さまざまな選択肢が見落とされてしまいます。解決策が見つからないままでいると、仕事に支障をきたすだけでなく、長く続けば「ああ、もうだめだ」という落ち込みや失望から、うつや適応障害を発症させるリスクもあります。


こんな苦痛や負担の影響下に居続けると、選択肢はどんどん狭められ、追い込まれてしまいます。回避行動や消去法では、いい解決策は導き出せません。ストレスを軽減すれば、自然に視野や考え方の幅が広がりますから、より多くの情報も入ってくることになります。疲労回復やストレスの軽減・解消は、前向きで明るい楽しい解決法にリーチする近道なのです。

 

仕事はフルタイムなら1日8時間、人生の1/3を費やすことになります。職場で楽しく有意義にやりがいを感じているなら、あなたは人生の1/3を充実してハッピーに送れるということ。ぜひできるだけ多くの選択肢から最良の意思決定をしてください。




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