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【アダルトチルドレンの悩み②】悪意を持った相手につけ狙われる<後編>

<前編>では、アダルトチルドレンがイジメ・詐欺・搾取などのターゲットにされやすい3つの理由についてみてきました。自分、そして、騙す相手のことを理解すれば、今までのように被害に遭うリスクを予防していけます。今回は次のステップ。実際に危険な相手に会ってしまったときの対処法を考えていきます。

※2021年04月13日記事に加筆・編集を加えて公開します。

【アダルトチルドレンの悩み②】悪意を持った相手につけ狙われる<後編>

悪意のある相手=(B)攻撃型の正体を探る


まず<前編>のおさらいです。

カレン・ホーナイ「基本的不安」に対して選択する3つの対処法無力で無防備な自分が敵対的な世界に置かれている不安感
 (A)追従型:相手に近づく  →ターゲットにされるAC
 (B)攻撃型:相手に対抗する →悪意を持った相手
 (C)離脱型:相手から離れる

福岡5歳児餓死事件主犯Aには(B)攻撃型の特徴がよく表れています。報道によれば、嘘つきで、図々しく、強欲、実際、詐欺罪でも逮捕されています。人を妬み、他人の物を欲しがります。Iを高圧的に支配しました。Aとは逆に、外面がよく、むしろ控えめでしおらしい(B)攻撃型もいます。いずれにせよ、お腹の中は一緒。人を支配し、搾取してやろうというどす黒い願望が渦巻いています。


<前編>で述べたとおり、実は(B)攻撃型もアダルトチルドレン(AC)。主犯Aの場合もそうでした。報じられている内容によれば、Aが育った家庭は経済的に困窮し、近隣との間で詐欺まがいの金銭トラブルを起こすことが絶えなかったといいます。三人兄妹の末っ子のAは明るい性格で、クラスでは人を笑わせるムードメイカーだったとか。しかし、両親は借金しては踏み倒すをくり返し、最後は、祖父母を置き去りにして一家で夜逃げという、壮絶な機能不全家族で育った典型的なACでした。


愛情をもらえなかった恨みと怒りから基本的敵意へ

Aも基本的不安を払拭されずに育ちました。明るいムードメイカーだったということから、親に対して(A)追従型の「相手に近づく」態度で、愛を獲得しようとしたかもしれません。本来なら末っ子Aは可愛がられ育ったでしょうが、経済的に逼迫し、トラブル続きの両親には、娘に与える愛も時間もなかったはずです。


カレン・ホーナイは、子どもが親から十分に愛されている実感や育てられている実感を受け取れない場合、基本的敵意を発達させ、親や他者へ向けられると述べています。ニーズが満たされないことに対する怒りや憤りの感情です。また基本的敵意は子どもに否定的で歪んだ自己像、低い自尊心、破壊的な人生観を醸成されるといいます。


Aの人格形成に基本的敵意が関与したことはまちがいありません。得られなかった愛情やその代償を、「得られないなら他人から奪う」という手段に転じたのがその証です。実際、他人から奪う手法は両親の姿を見て学んだはずですから。


似て非なる危険人物「マニピュレーター」に注意!

ホーナイの攻撃型にみられるように相手を支配し、操り、搾取したり、傷つけたりする特性をもつ人々について、10年ほど前から新たな概念が取り上げられています。パーソナリティ障害治療・研究の第一人者で心理学者のジョージ・サイモンの言うマニピュレーター(manipulator)」がそれで、なかでも攻撃性を隠して独特な操作戦術を用いる潜在的攻撃性パーソナリティ(covert-aggressive personality)という人格タイプについて、人間関係での危険性を示唆しました。


巧妙に相手の弱点を突きとめ、優位になるよう利用し、独特のウソや演技、怒りで人の心を操ろうとするところに共通点が見られます。外見はいい人を装い、ほとんど悪意に気づかれず「ヒツジの皮をまとうオオカミ」にたとえられます。


ホーナイの攻撃型も、サイモンのマニピュレーターも行動様式としてはよく似ています。ただし、ホーナイの攻撃型の行動が基本的不安を払しょくするために無意識に行われるのに対して、サイモンのマニピュレーターは意識的かつ計画的に行われるのが大きな違いです(前者は神経症の枠組み、後者は人格障害の枠組み)。


いずれにせよ、ほとんど見分けはつきませんが、両者ともうっかり出会ってしまえば、物心両面のダメージを負う危険性があります。



危険な相手に出会ってしまったときの対処法


攻撃型やマニピュレーターをはじめ厄介な相手への対処として、巷では「相手を知る/行動を把握する」「許容できる/できないラインを決める」「1対1にならない」などなど紹介されています。が、アダルトチルドレン(AC)が、どんな対処をしたところで、カモか飼い犬にされるだけです。ACが出会ってはいけない相手なのです。正しい対処法は「すばやく逃げること」の一択です。


すばやい避難 lesson 1 相手に合わせすぎない

追従型の自覚がある人はとくに、初対面で迎合や従順は考え物。「どれでもいいです」は自分の意見ですが、「あなたと同じものを」は意思決定を相手に依存しています。相手に悪意や攻撃性があれば、一発でロックオンされることまちがいありません。


すばやい避難 lesson 2 直感にゆだねて行動する

アダルトチルドレンの場合「この人、ヘンだ」と感じても、「イヤな相手とも我慢してつきあわなければいけない」という信念が直感を阻害するのです。それで追従型の行動が加速し、ズルズルそばにいることになります。

そこでまず、理屈や常識、これからのこと、義理やつながりとか考える思考のスイッチを一旦切ります。そして、落ち着いたところで(トイレとかに避難してもいい)「直感」の出番。


 ●「この人、ヘンだ」と感じたら、相手からすぐ逃げる


あなたの直感は、あなたにとって害になる人、あなたの助けになる人を知っています。


すばやい避難 lesson 3 挨拶不要

逃げると決めたら、すぐ逃げます。おわかれの挨拶とか不要です。もう2度と会わない相手ですから。そんな相手にいい印象を与える必要もなければ、礼儀やマナーも必要ありません。安全第一。


すばやい避難 lesson 4 日常的に直感を鍛える

長い間、自分のやりたいこと、自分を楽しませること、自分の五感が喜ぶことから我慢させられたり、諦めたりして、遠ざかっているアダルトチルドレンは、直感が働きにくかったり、直感を働かせることに抵抗を感じるかもしれません。


直感を磨く最高のトレーニングが、ご自分の幸せ要因【好き・ワクワク・楽しい・気持ちいいこと】書き出すことです。やり方は



のどれかを試してみてください。



まとめ:逃げるは恥でなく役に立つ!


危険人物、他人の悪意や攻撃性に気づいたら、何はともあれ、すぐ逃げることです。つきあわなければ、被害にも遭うこともありません。そのためにも、直感を鍛えておきましょう。


直感トレーニング。「ヘンな人」に遭ったら、すぐ逃げる。

直感トレーニング。「ヘンな人」に遭ったら、すぐ逃げる。


これを習慣づけていきましょう。


基本的不安は愛情や支援のある環境を提供し、健全な自己や幸福感を発達させることで予防や軽減することができるホーナイは示唆しています。


直感トレーニングでご自分を幸せや快適さを提供し、それを受け取る体験をくり返すうちに、基本的不安をなくしていくことができるというわけです。アダルトチルドレン特有の悩みや生きづらさが軽くなっていき、やがて、そこから自由になります。悪意のターゲットにされないためにも、自分に幸せは惜しみなく注いでいきましょう!



【参考】


 カレン・ホルネイ(1981年/誠信書房) 

※40年前に出版された本書での表記は「K. ホルネイ」ですが、現在は「カレン・ホーナイ」が定訳になっています。






 ジョージ・サイモン(2014年/草思社)









[AC/毒親チェック]

 

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