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あなたにぴったりなのはどれ? 9つの「ゆるし」

更新日:8月9日


「修行が足りない」とか「これは甘えだ!」とついつい自分にプレッシャーをかけがちの方って意外と多いものです。問題を一人で抱え込んで、他人に助けを求めることなく、がんばりすぎてヘバってしまいます。 そんな「自分をゆるせない」という方に、そもそも「ゆるす」感じをつかんでいただきたく、漢字を調べてみました。古語や常用漢字表にないものを含め、9つも「ゆる-す」と読む漢字があるんですね。 縛っても問題は解決しません。許していく、問題は解けてほぐれてきます。心も同じです。

あなたにとって、どの「ゆるす」がぴったりきますか? どの「ゆるす」はできて、どの「ゆるす」は難しそうですか?

「ゆるす」の意味

「ゆるす」の語源は「緩(ゆる)し」 「緩ふ」という古語で、意味は大要5つ。「自分をゆるす」ことは「自分を緩める」ことから始まるのかもしれません。

①許可する

 願い・申し出などをききいれて、願いどおりにさせる。

 ある行為を、さしつかえないと認める。

 その人をとりまく状況が、ある事を可能にする。

②免除する、赦免する

 罪や過失を、とがめだてしないことにする。

 服役中の人を放免する。

 義務や負担を免除する。

③緩める

 他に対する警戒心をゆるめる。

 強く締めたり、引いたりしたものをゆるめる。

④放す、解放する

 手放す。自由にする。

⑤優秀であると認める

 すぐれた存在であると認める。

 ある水準に達したと認める。

1. 【緩】ゆるしのはじまりはゆるめるから

[音]カン

[訓]ゆるい・ゆるやか・ゆるむ・ゆるめる・ぬるい

[字義] ①ゆるい。ゆるやか。ゆるむ。ゆるめる。 ②動作がおそい。 ③差し迫っていない。

[なりたち]糸(部首)+爰(クワン/音符)=ゆったりとしたさま。

ルール、常識、前例などで「こうするべき」と自分をキツキツに縛りあげているなら、ちょっとだけゆるめてみましょう。

2. 【容】ちょっぴりのすきまをあける

[音]ヨウ

[訓]かたち・いれる・ゆるす

[字義]

①いれる。ア:器に入れる。収める。イ:受け入れる。ウ:ゆるす。聞き入れる。

②かたち。姿。様子。身のこなし。立ち居振る舞い。

③中身。

④ゆとりがある。やすらか。

⑤やさしい。簡単。たやすい。

[なりたち]宀(家、建物)+谷。「谷」は「八」(水の流れる形)+「口」(あな)で、空いた穴に水が流れ込む様。建物に物を入れること、入れることを相手に「ゆるす」こと、まとまって形作られたものから「すがた」「かたち」の意に。

あそびの部分がないと身動きがとれません。視野や選択肢、可能性を広げるにはすきまが必要です。

3. 【聴】みみとこころをかたむける

[音]チョウ・テイ

[訓]きく・ゆるす

[字義]

①きく。注意してきく。目的を持って、耳に入れる。

②耳と目。人の耳と目となって探る者(しのび)。

③ゆるす。ききいれる。

④治める。

⑤待つ。

[なりたち]旧字「聽」。耳(部首)+𡈼(音符/テイ)+𢛳(正しい心)=(耳を突き出し、まっすぐな心で)よくきくの意。転じて「聞いて正しくさばく」「したがう」「ゆるす」意に。

心が「つらい」「苦しい」「悲しい」と訴えるとき、そのままを肯定的に耳に、心に入れてみましょう。「言い訳だ」「甘えだ」と批評や審査、断定をしないで。

4. 【宥】のびやかにこころをひろげる

[音]ユウ

[訓]ゆるす・なだめる・ひろ・ゆたか

[字義]なだらかにする。抽象的・精神的な内容に関して用いられる。

①ゆるす。大目にみる。

②(制限などを)ゆるめる。

③寛大。心が広く思いやりがあるさま。

④とりなす。調停する。

[なりたち]宀(部首/屋根)+有(音符/イウ→同音の囿/庭園)=広い家屋→心が広い・ゆるめる・ゆるす。

一点に集中しすぎると目も心も疲れます。そんなときはフレームを広げてみましょう。文字どおり「大目にみる」のです。

5. 【許】おたがいにみとめあう

[音]キョ・コ

[訓]ゆるす・ばかり・もと

[字義] ①ゆるす。聞き入れる。認める。 ②ほど。ばかり。~くらい。 ③もと。ところ。

[なりたち]言(部首)+午(音符ゴ→キヨ)=相手の言葉に同意して聞き入れる。「午」は「杵」の原字で「互」と同系→許しを請い、許しを与える相互の行為。

能力でも苦労でも、誰かとシェアするときうまれる感情から絆が生まれます。その体験が乏しいと承認欲求が満たされません。一人でもできます。あなたの右手と左手で「今日はよくやった」とみとめあったり、いたわりあったり。

6. 【恕】あいてのためにいのる

[音]ジョ・ショ

[訓]ゆるす・おもいやる

[字義] ①思いやる。 ②思いやり。慈しむ。憐れむ。 ③大目にみる。思いやって許す。

[なりたち]如(音符/従順な女性+口→神に祈る素直な女性)+心(心臓→心)=相手を思いやる、思いやりの心。

「あなたが良い状態(幸せで、健やかで、満たされて)でありますように」と祈る気持ちが災いを遠ざけます。自分が良い状態でありますようにと祈りましょう。良い状態であるなら、それを喜びましょう。

7. 【允】つりあうようにバランスをとる

[音]イン

[訓]まこと・まことに・ゆるす・じょう

[字義] ①まこと。まことに。 ②ゆるす。みとめる。 ③公平である。つり合う。 ④じょう。律令制で主殿寮(とのもづかさ)などの判官。

[なりたち]厶(音符の変形/イ→ヰン)+儿(部首)=頭のひいでた人。のもともと氏族名、または官職名→知的で誠実な傑出した人。転じて「まこと」「まことに」の意に。

判定や目標設定に「やりすぎ」は禁物。ちょうどよいジャッジをしていますか? 厳しすぎないか、見直してみましょう。実行不可能な厳しい目標より、実行可能な目標のほうが合理的です。

8.【免】うまれて、ときはなたれる

[音]メン・ベン・ブン

[訓]まぬかれる・ゆるす・やめる・うむ

[字義] ①まぬかれる。逃れる。避ける。離れる。 ②ゆるす。聞き入れる。責めないでおく。 ③やめさせる。職を解く。 ④去る。消す。 ⑤子を産む。

[なりたち]旧字「免」は母体から生児を取り出す、また子が抜け出るから「ある状態をまぬがれる」の意。「娩(ベン)・㝃(ベン)」の原字。

不必要な苦痛や危険はなるだけ遠ざけておきましょう。出産時はお母さんも赤ちゃんも苦しみます。双方とも出産によって苦痛から解放されます。安全な出産のためにはあらゆるリスクを遠ざける必要があります。

9. 【赦】じゆうにしてあげる

[音]シャ

[訓]ゆるす

[字義]統治権者が賞罰2大権に基づいて、囚の刑をゆるめ、孝子・節婦などに恩償を与える行為。

①罪や過ちをゆるす、免除する。

②間違いや失敗を取り上げず責めない。

③ゆるし。

[なりたち]赤(部首・音符/セキ→シヤ→同音「捨」に通じる)+攴(手でボクッと打つ)=罪を捨ておく→罪を許す。

自由は、相手のありのまま100%の可能性を保持した状態です。どう動くのも、動かないのもOK。そんなふうに感じたり、考えたり、動いたりする自由を、たまにはあえて意識的に自分に与えてあげましょう。

まとめ

カウンセラーにもなじみ深い漢字「聴」「容」も「ゆるす」と読むんですね。

興味深いラインナップになりました。 「ゆるす」にもいろいろな意味とスタイルがあります。自分にできそう、フィットしそうな「ゆるし方」「ゆるめ方」を見つけてみてください。相手に対しても、自分に対しても。苦しめず、やさしくなれたら、気持ちが楽になりそうですね。

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