妊娠中のストレスが赤ちゃんに及ぼす影響
安心と祝福のなかで赤ちゃんへの愛着が生まれます。
妊婦さんをとりまく環境と妊婦さん自身の心身の安定が、赤ちゃんの健やかな成長を育みます。
では、妊婦さんのストレスが高くなったとき、赤ちゃんにはどんなリスクが及ぶのでしょうか?
ストレスホルモンといわれるひとつにコルチゾールがあります。本来の働きは、危機が迫ったとき命を守るため、戦闘や脱出といった緊急行動に備えて、血圧や血糖値を上げ、胃酸を分泌させ、身体を覚醒・興奮させること。ですが、過剰に分泌してしまうことで、高血糖や高血圧、食欲不振、不眠、うつ状態を起こします。
妊娠中、過剰分泌されたコルチゾールは胎盤を経由して赤ちゃんも浴びることになります。その結果、子宮内の発育不全、早産、低出生体重児(未熟児)、行動障害、先天奇形などリスクがあります。未熟児の母親の産後うつの発症率は、通常の2倍以上に高まります。
九州大学病院子どものこころの診療部の吉田敬子特任教授によれば、「被虐待件数の約半分は乳幼児期に生じる」そうです。未熟児・障害を持った子など育児負荷の高い赤ちゃんは、虐待を受けるリスクも高まります。ゆったりとマタニティーライフを楽しむのは、ママのためだけでなく、赤ちゃんの健康のためにも大切なことなのです。
参考: 『学術の動向』2010年15号「子どもの問題 ─母親のメンタルヘルスとその育児を支える─」吉田敬子(九州大学病院子どものこころの診療部)
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