幸せの罠
誰かに恋したばかりで、恋人のことを考えるだけでワクワクしたり、ドキドキしたり。期待で胸がふくらんでゴキゲンに、その影響で、ことに女性は美しくになりますね。 ……そんな経験はどなたもお持ちだと思います。
恋が実れば、その喜びがさらに現実のものになりますね。二人でいる安心感とか、ラブラブする喜びとか、まったりする心地よさとか。 ……こんなとき、誰もが幸せを実感しているはずです。
「ツライこと」「悲しいこと」「苦しいこと」「さびしいこと」がストレスになることは誰でも知っています。
ところがこの「喜び」や「幸せ」もストレスになるのです。
たとえば、恋に費やす時間やお金を捻出したりとか、恋人と会うためのハードルは決して一つではありません。好きな人の自分にとって不都合や好ましくない事実に目をつぶることもあるでしょう。趣味や価値観や意見が合わないことも少なくありません。
幸せのさなかに、こういった違和感や嫌悪感を覚えたとき、たいていの人はそれを亡きものにして、存在しないふり、知らんぷりをしてしまいます。
恋愛だけではありません。
ポジティブな要因、一般的な慶事である、就職、進学、昇進・昇給、恋愛、結婚、妊娠・出産、新居(それも旧宅よりいい)への引っ越し、健康、裕福、パーティ……など、いわゆる「ぜいたくな悩み」と呼ばれるものです。
周囲の人もまさか「喜びがストレスになる」なんて考えていませんし、当事者に至っては「こんなことをストレスと感じてしまうなんて、周囲(相手)に申し訳ない」と罪悪感さえ感じてしまいます。
こんなふうに幸せには、とても厄介な罠が仕掛けられているのです。
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